TGS Updates
【TGSインタビュー】シンプルながらも複雑な対立感覚:Next Studio光と影が交差する瞬間、現実と夢が重なり合う
〔2019-05-27〕

いいゲームというのは優れたサウンド、ビジュアル、ストーリー性そしてゲーム性などの要素が必要であると思われがちですが、ただその定義は「いいゲーム」というものに一種の価値観の枠を作ってしまっている一面もある。大手メーカーなら資金力を生かし、豪華な作品を世に送り出せるが、もし経費と人手に限りがある場合、どうやって少ないリソースの中で、ユニークかつ人々を引き付けるゲームを作り上げられるのだろうか?

中国からきたインディーズゲームの開発チーム「Next Studio」はこの問題に答えを見出してくれた。一般的なユーザー受けのいい華やかなグラフィックではなく、黒と白をベースに《Iris.Fall》という幻想的なスタイルのパズルゲームを作り出し、2019年台北ゲームショウ「INDIE GAME AWARD」で最優秀美術賞を獲得した。チームのメンバーもビジュアルデザイナーの出身であるというのもあり、この賞を獲得したのは、彼らへの励ましだけでなく、今までの苦労が報いられる何よりのご褒美である。

黒と白、光と影。シンプルな要素で無数な思いが交差する

「この世界に戻ったら最初に自分の姿がある」というコンセプトのもとで、「モノクロの光と影」というシンプルな要素が開発の軸になり、ゲーム内のそれぞれの小部屋に謎解きのポイントを仕掛けて、白と黒の二色が絶えず変換するという簡単なビジュアル作りが、《Iris.Fall》というゲームを生み出したのである。チームがインタビューに対し、二年も前から彼らはすでに「ビジュアル」と「ユニークさ」で勝負するゲームを作りたかったのだが、人手と予算の制限でなかなかうまくいかなかった。数々の失敗を経て、彼らは当時世の中のインディーズゲームは基本的にすべて鮮やかな色使いであることに気づき、ならばそれに反してモノクロのゲームを作ったらどうだ、と思い立ったのである。広大なフィールドよりも、小部屋の中の謎解きなら、困難度も下がるだろうと思ったという。

チームの全力の最後の賭け辛さを乗り越えれば最後に虹が見える

プロデューサーはインタビューでは、人手もリソースも時間も限られている中、《Iris.Fall》は10人も満たない小さなチームの全力の奮闘で誕生した結果であると述べた。チームメンバーはみんなそれぞれ自分の専門分野に力を投入するだけでなく、自分の専門分野以外でもお互い協力し合い、その努力の結果、一年足らずという短い期間で成果を上げられたのである。また、チームメンバーがお互いをよく知ることも効率が上がるのに大変重要であると、プロデューサーは指摘している。《Iris.Fall》はほかのゲームと比べ大変コンパクトなゲームではあるが、簡単に見えるゲームでも実際作ってみると案外難しかったりするのである。これからゲーム開発を目指す人々には、「試行錯誤し、その都度学び、最後には必ず虹が見えてくる」というのは、彼らからのアドバイスである。

Iris.Fallの次は?

現段階ではNext Studioはまだ続編を作るつもりはないという。このゲームはSteam PCバージョンのほか、2019年中に家庭用と携帯用ゲーム機のバージョンを出したいと話している。緻密なビジュアルだけでなく、すべてのステージと仕掛けに、彼らのアイディアと思いを感じ取ってくれたらと、チームメンバーは話している。